宮崎ロッド・Prime Time バンブーロッドPiggy's Tail

2003-03-21

戦争が始まった

おやつ時の「子豚のしっぽ」です。小さなプラカードを持って、町内を一周してきました。体調を考えて“WORLD PEACE NOW”on 3/21(fri.)はパスして、買い物に行ったり図書館に行ったりお肉屋さんに行ったりするいつもの道を静かに歩いてきました。

池澤夏樹さんから届いたメールを引用します。

===(引用はじめ)=======

新世紀へようこそ 097

戦争が始まった


戦争が始まりました。

ぼくたちは長い間、希望をもって戦争を始めさせないよう運動をしてきましたが、開戦は止められなかった。

戦争はなかなか正当化できないものですが、しかしこれほど明快に理不尽な戦争もありません。

国連は認めていないし、アメリカとイギリスの政府に賛同する国はごく少ない。アメリカを除くどこの国でも反対派の国民の方が圧倒的に多い。

査察は続いていたし、イラク側は協力的だった。ブリックス氏はまだまだ査察を続けるべきだと言っていた。

こうならないよう動いてきた世界中の人々が落胆し、憤慨していることでしょう。ぼくもその一人です。

しかし、戦争が始まったからと言って、戦争に反対する理由がなくなったわけではありません。むしろ逆なのです。これから本当にたくさんの人が死にます。早く止めさせるにはやはり戦争反対の意思表示をしてゆくしかない。

今まで以上に力を出さなければならない。

なぜこうなってしまったのか、国連のことを少し考えてみます。

アメリカは、フランスが拒否権を行使すると言っているから決議案を撤回したと言っています。まるで言うことをきかないフランスが悪いみたい。

国連ができた時、一国の勝手な欲望から戦争が始められないよう、安全保障理事会という制度が作られました。主だった国の合意のもとに国際社会を運営してゆく。拒否権というのはそのための最後の歯止めであり、合意がないことの表明です。

今回のイラク攻撃を国連は認めなかった。安保理の中間派6か国、いわゆるミドル・シックスはさまざまな圧力を受けながら、よく踏みとどまりました。フランスが拒否権を使う場面はたぶんなかったでしょう。

だからアメリカは国連を回避した。あるいは無視した。

そして戦争を始めた。

つまり、アメリカは世界を私物化した。

日本政府はたぶん困っています。国連重視とアメリカとの協力の二本を外交の柱にしてきたのに、その二つが分裂してしまった。国連を捨てるというのは外交方針の重大な転換です。本来ならばたくさんの論議が必要なはずですが、小泉首相が口にしているのはすり替えロジックばかりで、まともな説明になっていない。

経済的に多くをアメリカに負っているトルコやメキシコでさえ賛成しなかったのに、日本はアメリカを支援している。これは自主性を欠くだけでなく、非常に危険なことだと思います。

イラクの人々をサダム・フセインの圧制から解放するための戦争であるとアメリカは言いはじめました。

たしかに、ある国で一部の国民が極端に不当な扱いを受けたり、つぎつぎに虐殺されたりしている時、国際社会はそこに介入すべきだという説があります。旧ユーゴスラビアの内戦の時はこの理由によって国連軍が武力を行使しました。

しかしそのためにはどの段階で介入すべきか周到な議論が必要ですし、現実にはそれでもなかなかうまくいかないようです。まだ歴史が浅いし、試行錯誤が必要なのでしょう。

この問題については最上敏樹氏の『人道的介入』(岩波新書)が詳しいので読んでください。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/400430752X/impala-22/

いちばん大事なところを引用します——「もし加害者への攻撃が許されるとすれば、それは現に虐殺がおき(ようとし)ており、かつ、加害者に攻撃を加える以外に手段がない場合に限られる。それも国々が勝手な判断でおこなうのではなく、国連のような世界的機関の集団的な判断に基づく、集団的な措置でなければならない」。

いずれにしても今のイラクは「人道的介入」を必要とするような事態ではありません。それが必要なのはイスラエルの方です。

まして、国連がそれを認めていないのにアメリカが勝手に他国の国民を「解放」するのは、武力による内政干渉すなわち侵略です。

メディアに言いたいことがあります。

アメリカ軍の動きを報道することを控えてください。飛び出すミサイルや、離陸してゆく戦闘機、したり顔で成果を説明する司令官、これらは戦争ではありません。

戦争とは破壊される建物であり、炎上する発電所であり、殺された人々、血まみれバラバラになった子供の死体です。水の出ない水道、空っぽの薬箱、売るもののないマーケット、飢えて泣く赤ん坊、それが戦争の本当の姿です。そちらを映すことができないのなら、戦争を報道することなど最初から諦めてください。

今の段階で攻撃側の動きばかり伝えるのは、この道義なき戦争に加担することです。

政治家でも軍人でもないぼくたちは、この戦争がイラクの普通の人々にとってどういう現実であるか、それを想像してみなければいけないと思います。

戦争が始まりました。

戦争に反対しましょう。

(池澤夏樹 2003−03−20)

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===(引用おわり)=======

休日で暖かい日。小さい子供を連れた若いお母さんが歩いていたり、猫が歩いていたり、道路を舗装する工事をしている人たちが働いていたり、八百屋さんの店先に新鮮な野菜が並んでいたりと、何の変哲もない日。

こういった日常をいとも容易く取り上げてしまうもの、顧みないものを考えながら、私はいつもの道を歩いてきました。

Posted by TM* at 2003-03-21 11:18 in 暮らしの周辺 » 911 after | English | Permalink | 

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